IO-Linkって結局どうなの?を簡単にまとめてみた
ここ数年、市場に出始めた「IO-Link」ですが、
まだまだ日本市場に浸透しているとは言えない状況です。
そこで、IO-Linkがどう便利なのか?
使うにはどうしたらいいのか?など、
素人なりにまとめてみます。
結論からいくと、、
・現場層にあるセンサーやアクチュエータのネットワーク化を低コストで実現
・欧州では主流になりつつあり、
装置のIoT化を進めたい装置メーカーで、
日本国内でも検討が広がっている
・現場改善に興味のある人は、
無料のセミナーに参加してみるとよい
ということになります。
では、詳しく見ていってみましょう。
IO-Linkって何?
国際規格IECに準拠した、産業用ネットワークの規格で、
Ethernet/IPやEtherCATなどのネットワークの下、
リモートI/Oの先をネットワーク化する技術です。
これまでもフィールドネットワークに対応した
現場の機器は発売されていましたが、
どうしても対応するための通信チップなどが高価で、
故障交換が多い現場で使うには無理がありました。
(効果があるかわからないのに稟議もおりませんよね)
IO-Linkはそこが改善され、
価格がかなり抑えられています。
それに加えて市場のIoT熱が相まって、
採用数は右肩上がりになっています。
IO-Linkの組織自体はドイツのプロフィバス協会傘下ですが、
システムは完全にオープンであり、
他のフィールドネットワークとの親和性が高くなっています。
何が便利?
・上位のネットワークを選ばない
(CC-Linkでも、Modbusでも、
スレーブ(IO-Linkマスタ)が対応していれば大丈夫)
・デバイスの設定を現場ではなく、
ネットワークを介してできる
・双方向通信ができるので、
センサの検知感度低下などをホスト側で把握できる
・デバイスを交換しても、
データがIO-Linkマスタに記録されていて、
そのまますぐに復旧できる
・接続が汎用M12ケーブルなので、
専用ケーブルは不要
・接続している機器をIO-Linkマスタでリスト化できるので、
・既存のデジタルセンサと併用できるので、
スモールスタートが可能
などが挙げられます。
デメリットはない?
・通常品よりコストは高い(1.5倍程度)
・国内のメーカーが少ない
・これから浸透するかは未知数
メーカーはどこがある?
マスタのメーカーは、
海外ならバルーフ、ターク、シーメンス、ifmなどでしょうか。
デバイスも海外メーカーが多いですが、
国内メーカーもCKDやアズビル、パトライトなどが製造しています。
検討するにはどうしたらいい?
取り急ぎは日本で取りまとめをしている、
紹介セミナーに参加するのがいいでしょう。
各マスタ、デバイスメーカーも商品を展示するので、
イメージしやすいと思います。
他に選択肢は?
三菱電機系のCC-Link IE Fieldができたので、
それが一番近そうです。
[追記]
エニイワイヤのASLINKの方が、コンセプトが近そうです。
ただこちらも、現場機器がどこまで対応するかは不透明です。
おわりに
私もデバイスメーカーの端くれとして働いていますが、
第三者的に見てもなかなか便利な仕組みだと感じています。
IoT化が進む中で、どういう手段を使うのか、
なかなか選定は難しいです。
使うのであれば広く浸透する技術を使いたいもの。
これからは日本国内で浸透しているものが強者ではなく、
海外の主流が国内でも存在感を示すような気がしています。
(iPhoneがそのいい例ですね)
現場改善で色々と検討している方の お役に少しでも立っていれば幸いです。